布鲁可:子供向けブロックのOEMからウルトラマン・トランスフォーマーのライセンス展開へ、香港上場までの軌跡
創業:朱伟松 · 布鲁可集团有限公司(Bloks Group Limited、香港証券取引所コード:00325.HK)
主要項目
FIELD STAMPS創業のきっかけ
朱伟松はゲーム事業で起業し、同社の前身は子供向け知育玩具や葡萄科技(Pu'er Technology)の分野にあった。当初は自社ブランドの国産ブロックを試みたが、組み立てブロック分野で圧倒的なブランド力を持つLEGOに対し、オリジナル路線では長年市場を開拓できなかった。チームは、中国の子供やアニメファンが求めているのはキャラクターそのものであると気づき、組み立て式のキャラクター玩具へ転換。ライセンスIPと高いコストパフォーマンスを武器に、建築物からキャラクター人形の組み立てへとシフトすることで、LEGOの参入障壁を回避した。
成長のマイルストーン
転換点
- LEGOに対抗する自社ブロック路線を放棄し、ライセンスIPの組み立て人形へ全面転換したことが、同社の運命を分ける最初の分岐点となった。
- 主力価格を9.9元からのブラインドボックスに設定し、ウルトラマン人形を小学生の小遣いで買える高頻度消費財に変えたこと。
- 2025年1月の香港上場における6000倍超の応募倍率により、「中国版LEGO」という物語を資本市場で一気に換金したこと。
- 2025年の海外売上高が228%急増し、低価格組み立て人形モデルが海外市場でも通用することを証明したこと。
失敗とつまずき
- 初期の自社ブロックブランドが長年市場に浸透せず、LEGOのブランド力に圧倒されて成果が出ず、全面的な転換を余儀なくされたこと。
- 2021年から2023年まで4年連続で赤字を計上し、ライセンス料と販路拡大が利益を圧迫。IPO直前まで「赤字を垂れ流して成長を買っている」というレッテルを貼られていたこと。
- ウルトラマンのライセンス期限リスクがあり、売上が単一IPに過度に依存している問題が上場前後を通じて繰り返し追及されたこと。
- 上場後に株価が約7割下落し、資本市場が厳しい評価を下したこと。借り物のIPでは当初の楽観的な時価総額を支えきれなかった。
关键成功要素
- LEGOの牙城を避け、建築物ではなく組み立て人形という差別化されたカテゴリーを切り開いたこと。ニッチな競合戦略が生存の前提となった。
- トップクラスのIPで市場を動かし、低価格ブラインドボックス形式でリピート購入を促進したことが、4年で赤字から6億元超の黒字へ転換した核心的な公式である。
- 上場前にウルトラマン、トランスフォーマー、仮面ライダーなどのIPマトリックスを構築し、単一ライセンスへの依存度を薄め、契約更新リスクに対する時間を稼いだこと。
- 海外展開と大人向けコレクターラインを強化し、一過性の子供向けビジネスを層別化された顧客ビジネスへと変貌させ、ライセンス期限という天井を回避したこと。
教訓
- 自社IPで勝てないならトップクラスのライセンスから始めるべき。まずは生き残り、その後に自社開発を語るのが、巨人のブランド力に直面する中国消費ブランドの現実的な道である。
- 低価格単体商品は妥協ではなく武器である。9.9元という価格設定のロジックが、玩具を低頻度のギフトから高頻度のリピート商品へと変えた。
- 目論見書の最大のハイライトは、往々にして最大のリスクでもある。単一IPが売上の大半を支える構造は、いずれ市場によって再評価される。
- 上場は物語の終着点であって、ビジネスの終着点ではない。6000倍の応募倍率の後に待ち受けるのは、ライセンス更新と第二の成長曲線という真の試験である。
主要データ
- 2023年营收:約8.8億人民元(公開資料ベース、第三者による独立検証なし)
- 2025年上半年营收:約17億元(公開資料ベース、第三者による独立検証なし)
- 2025年上半年净利润:約2.7億元(公開資料ベース、第三者による独立検証なし)
- 2025年全年利润:6億元超(公開資料ベース、第三者による独立検証なし)
- 2025年海外收入同比增速:約228%(公開資料ベース、第三者による独立検証なし)
- 上市初期市值:250億香港ドル超(公開資料ベース、第三者による独立検証なし)
- 上市后股价最大回撤:約70%(公開資料ベース、第三者による独立検証なし)
- 主力单品价格:9.9元から(公開資料ベース、第三者による独立検証なし)
- 公开发售认购倍数:6000倍超(公開資料ベース、第三者による独立検証なし)
競合・同業
布鲁可のベンチマークはデンマークのLEGOだが、LEGOは自社システムブロックと家族のブランド認知で世界的な参入障壁を築いており、ライセンスIPの比率は低く、長年高い粗利率を維持している。国内の競合としては、国潮(中国トレンド)ライセンスを活用して組み立て玩具やフィギュアを展開する52TOYSや、ブラインドボックスと自社IPで感情消費を100億ドル規模の時価総額にまで高めたPOP MART(泡泡瑪特)が存在する。両社とも組み立て構造を核とはしていないが、コレクター玩具という市場では直接のライバルである。さらに、森宝積木(Sembo Block)などの国産ブランドがライセンスIPを活用して低価格で激しい競争を繰り広げている。布鲁可は低価格ブラインドボックスとウルトラマンのブランド力で一時的に優位に立っているが、IPのライセンス契約が切れた後には、どの競合他社も同じパイを奪い取る可能性がある。